前立腺肥大とは、男性の尿道をとりまく前立腺が肥大して尿道を圧迫し排尿障害を起こす病気です。尿が細くチョロチョロとしか出なかったり、排尿に時間がかかったり、頻尿になります。残尿が増えてくる為、細菌が感染して急性前立腺炎を起こすこともあります。加齢とともに、徐々に進行する疾患で、50歳以上の男性に多くみられます。
前立腺は男性ホルモンの支配を受けている臓器です。
年を重ね、ホルモンバランスが崩れてくると前立腺の表面の組織が萎縮し内部の組織が肥大して起きます。
しかし、その原因はよく分かっていません。
前立腺肥大症の代表的な内視鏡手術には大きく分けて3種類あります。
レーザーを前立腺に照射して気化させ消失する手術です。
レーザーを用いて前立腺をくり抜く手術です。
電気メスを用いて少しずつ前立腺を削り取る手術です。
※表は横にスクロールします。
前立腺肥大症 | 前立腺がん | |
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発生部位 | ![]() |
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経過 | 肥大により尿道が圧迫されて、排尿障害があらわれる転移はしない | 進行すると排尿障害があらわれたり、骨やほかの臓器に転移する |
前立腺肥大症の代表的内視鏡治療にはCVPとHoLEPとTUR-Pの3種類あります。
CVPは Contact laser Vaporization of the Prostate の略で、前立腺組織に光ファイバーを接触させてレーザー光を照射することで、前立腺組織に高熱を与え、組織中の水分や血液を一瞬で沸点に到達させて蒸発させ、組織を気化して消失させてしまう最新で低侵襲の手術方法です。
HoLEPはHolmium Laser Enucleation of the Prostateの略で、
経尿道的手術によって開腹手術と同じように前立腺の肥大箇所をくり抜くことができる画期的な手術方法です。
TUR-PはTrans-urethral resection of the prostateの略で、
前立腺を電気メスで直接削っていく古くからおこなわれている手術療法です。
CVPはみかんの実にレーザーで高熱を与え、果実を果汁もろとも一瞬で蒸発させて消失させます。果汁も一緒に蒸発させるので、ほとんど出血しません。
HoLEPはみかんの実を皮から剥がすように果実を核出します。出血は少ないですが、核出した果実をまた別の方法で体外に取り出さないといけないため、時間が多くかかります。
TUR-Pはみかんの実を直接切除していくため,果汁(出血)がでてくるのを防ぐことができません。
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メリット | 入院日数 | 費用 | |
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CVP | ・出血がほとんどない ・抗血栓薬を内服したままでも手術することができる ・手術時間は60分以内と最も短い ・再発の可能性が低いと考えられる ・痛みが少ない ・頻尿症状が最も改善する |
約4~5日間 | 健康保険が適用になります。詳細はお問い合わせ下さい。 |
HoLEP |
・出血がほとんどない ・抗血栓薬を内服したままでも手術することができる ・痛みが少ない手術 ・再発の可能性がきわめて低い ・前立腺サイズ:全般的に対応可能 ・輸血準備不要 |
約5日間 ※患者さまのご状態によっては 1泊2日~手術調整可能です。 東医師の外来にてご相談ください |
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TUR-P | ・すぐに効果が実感できる ・再発リスクがある ・前立腺サイズ:80gまで対応可能 ・輸血準備必要な場合がある |
約7日間~10日間 |
※手術の詳細につきましては、泌尿器外来におたずねください。