胎児ドック
(胎児精密超音波検査)
胎児ドックとは
胎児ドックとは、おなかの中の赤ちゃんを高性能の超音波診断装置を使ってチェックする、出生前診断(生まれる前に胎児の異常を診断すること)のひとつです。
通常の妊婦健診でも超音波検査は行われますが、妊婦健診の短い時間では形態異常(いわゆる奇形)に気付かれないことも多く、見逃しを少しでも減らすには妊婦健診とは別に時間をかけて胎児の全身を詳しくチェックする必要があります。
生まれてくる赤ちゃんの100人のうち 3~ 5人に何らかの形態異常があるといわれています。 形態異常にはたくさんの種類があり、治療の必要がない小さな異常もありますが、 生涯重い後遺症を残してしまう異常や、生まれてすぐに亡くなってしまうような異常もあります。
当院では、日本超音波医学会認定の超音波指導医が、赤ちゃんに問題となるような大きな形態異常がないかを診断します。
胎児ドックで分かること
胎児ドックでは
●発育の異常
●形態の異常(いわゆる奇形)
●病気
などを調べることができます。
出生前に赤ちゃんの状態が分かることで、適切な管理や治療を行ったり、
出生直後から適切な新生児治療を受けるための準備ができるため、
赤ちゃんが亡くなったり重い後遺症を一生背負う危険性を減らすことが期待できます。
医師紹介

部長馬場 一憲
- 専門:
- 産科超音波診断
- 胎児診断・胎児治療
- 婦人科超音波診断
- 資格:
- 埼玉医科大学総合医療センター 客員教授
- 埼玉医科大学 名誉教授
- 日本産科婦人科学会 専門医
- 日本超音波医学会 超音波指導医・専門医
検査を受けられる妊娠週数
妊娠 12週以降~分娩前までの期間であれば、いつでも胎児ドックを受けることができます。ただし、分娩直前の検査で異常がみつかっても分娩前の準備の時間が十分とれなくなる可能性がありますので、遅くとも妊娠34週までにはお受けください。
妊娠12~14週
胎児が小さいため細かい部分までは観察しにくいのですが、無頭蓋症、全前脳胞症、body stalk anomaly、不完全な内臓逆位(内臓錯位)、心臓逸脱症、肺無形成症、巨大膀胱、人魚体奇形、無心体、結合双胎など命にかかわるような大きな異常の有無をチェックします。 また、いくつかの形態異常の組み合わせから、13トリソミーや 18トリソミーのような染色体異常が分かる場合もあります。
母体から採血し、胎児にダウン症などの染色体異常が無いかを調べるNIPT(無侵襲的出生前遺伝学的検査:non-invasive prenatal genetic testing)では、胎児の形態異常の診断はできません。胎児の命に関わるような大きな形態異常があっても、ほとんどの場合NIPTでは陰性(異常なし)という結果がでます。NIPT を受ける前に胎児ドックを受けて、妊娠継続が難しいような重大な形態異常がないかを確認しておくことも大切です。
妊娠15週以降
胎児が大きくなるにつれ、心臓など細かい部分まで観察できるようになり形態異常の大半が診断できるようになります。妊娠12~14週で異常が見つからなくても、各臓器が大きくなって見やすくなる妊娠20週以降にもう一度検査を受けることが望ましいのですが、妊娠中に1度だけの検査を希望される場合は、妊娠18週~20週が適していると言われています。
妊娠後期になると、胎児が子宮の壁や胎盤と接する部分が多くなるため体表が見えづらくなりますが、心臓などの内臓は大きくなって観察しやすくなります。また、妊娠中期では症状が現われていなかった軟骨無形成症、消化管閉鎖、胎児の卵巣嚢腫などの異常が見つかることもあります。
料金・受診について
本検査は自由診療のため、全額自己負担となります。
(価格はすべて税込となります)
妊娠 12 ~ 14 週 35,200円
妊娠 15 週以降 38,500円
再検査 22,000 円
診療日/毎月第2金曜 14:00~16:30 【完全予約制】
• 都合により診療日が変更になる場合がございます。
あらかじめお電話または外来受付にてご確認の上ご予約をお願いします。
TEL 049-293-8818 (周産期棟)
• 他院に通院中の方でも受診いただけます。紹介状は必要ありません。
•妊婦健康診査助成券は使用できません。
•双子(双胎)の場合は上記料金の1.5倍、三つ子(品胎)の場合は上記料金の2倍となります。
印刷して、必要事項をご記入の上お持ちいただくと、受付がスムーズです。