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介護職の方へ

夢プラン

入居者さまの「〇〇がしたい」を叶えます。

夢プランとは、入居者のみなさまの自己実現(自分らしさ)、今やりたいこと「〇〇がしたい」を叶えるための個別援助計画です。
生きがいを失わず、チャレンジ目標や役割をもって、いきいきと生活していただくことを目標に、ご家族さまとスタッフが一緒に取り組む活動です。

実施レポート
帰ってきた“坂店母ちゃん”

実施施設:特別養護老人ホーム おさなぎ

以前ご本人が、夫婦で営んでいた駄菓子屋の写真を見ながら「また駄菓子屋をしたい」と何度も話されている姿を見て、この夢プランの実施に至りました。まずご本人に当時の店内の様子や駄菓子の種類、当日売りたい駄菓子などを聞き取りしました。それを元にご本人と一緒に近くのスーパーへ行き、駄菓子を実際に見て仕入れました。出来るだけ当時の店内や昔の駄菓子屋の雰囲気を出す為、ご本人が入所してから空き家になっていた自宅に職員と一緒に行き、当時実際に店で使用していた菓子箱など使えそうな物を持ち帰り、写真を見ながらご本人と一緒に飾りつけや駄菓子の陳列をしました。当日は近隣の幼稚園に協力して頂き、子ども達は自分で制作した財布とお金を持って来てくれました。ご本人が店名を直筆で書いた紙袋にお菓子と紙風船のおまけを入れ渡しました。園児達が来るまで表情は硬く緊張していましたが、子ども達と触れ合い楽しい表情や満足した笑みに変わっていき、「こだい繁盛したごどねえな!」と、嬉しそうに話す姿が印象的でした。終わりに子ども達と握手をし、記念撮影を行いました。最後はバスが見えなくなるまで手を振り、名残惜しそうに見送っていました。

「カップラーメン食べたいよ」想いが気力へと変わるとき

実施施設:特別養護老人ホーム クローバーのさと イムスホーム カウピリ板橋

生まれつきの身体障害があり、人生の長い時間をベッド上で過ごしていたA様でした。終末期が近づき、A様に「今、一番食べたいものは何?」と尋ねたところ、「カップラーメンが食べたい」と答えてくださいました。すでに施設で出している食事も全量は食べられずにいる状態でしたが、ご本人様の想いを何とか叶えたいと、多種に渡る職員みんなで考えました。季節は初冬。A様の了承の下、まずは食べやすいヨーグルトやプリン、栄養補助食品をメインに栄養を取ることから始めました。その後「普通のご飯が食べたいよ」とのA様の言葉を受け、医師と相談し嚥下評価を実施。食事形態のアップに成功しました。おかゆと、ひと口大のおかずを提供し、ほとんど残さずに食べられるようになりました。そしてクリスマスを迎え、念願のカップラーメンを美味しそうに食べるA様の姿がありました。ストローを使ってスープも飲まれニコニコしておりました。年が明け暫くしたのち、A様は施設内でみんなに看取られご逝去されました。ひとつの想いに寄り添う関わりを持てたことが、生きる気力となったと実感できた夢プランでした。

住み慣れた自宅で奥様と過ごしたい(畑を見せてあげたい)

実施施設:介護老人保健施設 仙台ロイヤルケアセンター

入居時はベット上での生活が中心であり、ご家族様より「車椅子に座れるようになって、散歩が出来たらいいですね」と希望される声が聞かれた。そこで多職種と協力し車椅子へ2人介助で移乗できるよう取り組んだ結果、離床して食事を食べる事が出来るようになった。その状況をご家族様に伝え、施設で取り組んでいる夢プランについて説明をすると「お父さんは畑仕事が好きで畑に良く行ってました。暖かくなったら畑を見せてあげたい」との思いがあり職員も一体となり夏頃に実施できるよう計画した。しかし、新型コロナウイルスの感染者が同時期に増えた事もあり、実施できずにいた。ご家族の「畑を見せてあげたい」という強い思いに職員も答えようと令和2年11月8日に設定し、職員、ご家族様とで感染対策について話し合いを行ない体調も万全に整えた。秋晴れの一日、約1年ぶりの帰宅を果たした。自分で耕し野菜を育てていた畑を見たり、家族との団らんが出来たことで施設では普段みられない表情や満面の笑みが溢れご家族様も大変喜ばれ笑顔の花が咲きました。