IMSグループ看護部TOP > オシゴトいろいろ 看護と介護 > 特定行為研修修了看護師
厚生労働省が定めた研修を終了し、試験に合格することで、医師の包括的指導の下に特定の医療行為を行うことができる制度。IMSグループは2017年に指定研修機関として厚生労働省に認可されている。
◎看護師の特定行為研修制度ポータルサイト
◎厚生労働省 特定行為に係る看護師の研修制度
2015年に「看護師特定行為研 修制度」がスタートしました。これは今まで医師が行ってきた医療行為のうち特定部分を、研修を修了した看護師が処置できるという制度です。特定行為は全部で21 区分38種あり、IMSグループは8区分17種について指定研修機関に認定されています。
私はグループ特定行為研修制度の第1期生。2018年に「創傷管理関連」を修了しました。具体的には褥瘡(床ずれ)の壊死部分の切除と陰圧閉鎖療法。体を十分動かせない人がベッドで長時間じっとしていると、体重のかかる部分の皮膚が圧迫されて血流が滞り、酸素と栄養が不足。皮膚の一部が死んで褥瘡を発症します。その壊死部分の適切な範囲をハサミで切り取ると、皮膚の新陳代謝が促され傷の治りがぐんとよくなるのです。
また怪我や手術の切開痕も、特殊なパッドを当て真空になるよう 陰圧をかけると、肉芽が盛り上がり、傷口が早く塞がります。私は医師の包括的な指示があれば、自分で処置が行えるようになりました。 日本は2025年に、5人に1人が75歳以上という超高齢社会を迎えます。病院でも医師が不足するでしょうし、医師が常駐しない介護・福祉施設や在宅医療も少なくありません。誰もが住み慣れた地域で暮らせる地域包括医療を実践するには、メディカルスタッフが医療行為の一部をシェアできるよう、 安全性を担保した上で、専門スキルを身につける必要があるのです。
私はキャリアを積み、一生続けられる仕事がしたいと看護師の道を選びました。はじめは外科、次いでがんのターミナルケアを担当しましたが、白黒をはっきりさせたい性格のためか、様々な死生観を持つ終末期の患者さまと“心の距離”を上手く保つことが苦手で ...。悩んだ末、看護技術を磨き、それをもって患者さまに貢献しようと心に決め、6年前、スタッフ教育に理解のあるIMSグループに入職。まず「皮膚・排泄ケア認定看護師」の資格をとりました。
この資格は褥瘡を含む皮膚のケアや、人工肛門=ストーマの指導が主な仕事です。患者さまが前向きに治療に取り組み、社会復帰を果たしていく上で、疾患に伴う皮膚トラブルは心身の大きな負担となります。女性なら見た目も気になりますよね。ご本人が痛みやかゆみの手当をしたり、ストーマを安心して使いこなせるよう支援してきました。
「創傷管理関連」はその延長上の技能。仕事の合間を縫って、eラーニングで臨床病理学や解剖学、診断学など共通科目を315時間。専門の区分科目の講座と実技は78時間。私は院長直々の指導をみっちり受けることができ、大感謝です。今はグループの介護老人保健施設でも褥瘡回診を担当。皮膚のコンディションは栄養状態と密接に関係しているので、栄養士とチームを組み、臨機応変に対処して、入所者さまに喜んでいただいています。
今後は「脱水症状に対する輸液による補正」「感染徴候がある者に対する薬剤の臨時の投与」など、皮膚に関わる特定行為をマスターしたいです。患者さまの立場に立ち、生活の質をしっかり守る。それが看護師の一番の役割ですから。
細密な模型を使って、褥瘡の壊死部分切除のトレーニング。
傷口に特殊なパッドを貼り、チューブでつないだ機器で陰圧をかける「陰圧閉鎖療法」。傷が回復するまで最長28日間継続。