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感染管理認定看護師 新型コロナウイルス感染症対策の最前線に

感染管理認定看護師とは

公益社団法人日本看護協会が認定する認定看護師の1つ。医療機関の感染サーベイランスと感染予防・管理システム構築を担う。受験資格は日本国の看護師免許を持ち、実務研修が通算5年以上あること。指定の教育機関の入学試験に合格してのち、6ヵ月の教育課程を修了後認定審査に臨む。
日本看護協会 資格認定制度

者さまを感染症から守る

感染管理認定看護師は、医療施設において感染管理システムを構築するキーパーソンです。
医療スタッフなら誰でも感染症の知識や消毒・滅菌の技術を基本動作として身に付けているもの。しかし院内感染を疫学的見地から正確に掌握する、抗生物質の効かない耐性菌の発現を予防・管理する、清掃等外部スタッフも含むすべての職員に、包括的な感染対策を徹底させるには、専門知識とマネジメント能力が欠かせません。
私は2010年に指定の教育機関で半年学び、翌11年に資格を取得しました。感染管理を志した当時は障害者病棟の師長として、人工呼吸器や膀胱留置カテーテルなどを挿管した患者さまのケアをしており、感染対策の質的向上とスタッフの環境改善が喫緊の課題だったのです。
現在、感染管理認定看護師はIMSグループ全体で18名。皆、新型コロナウイルス感染症対策の最前線に立っています。

画をツールに新型コロナ対策を

私の役目は主に3つあり、1つは患者さまやご家族、地域住民に向け、新型コロナウイルスに関するわかりやすいリーフレットを用意し、相談にのること。安全な受診や面会のルール案内は必須ですし、他にも日常的な感染防止策や、免疫力の高め方、3密を回避する地域集会の運営法もガイドします。家族に感染者が出た時の対処法も知っておけば安心。無症状や軽症なら自宅待機・療養となりますから、周囲は感染を広げない行動が求められます。またインフルエンザや肺炎球菌ワクチンの接種率を高めることも大切です。
2つ目は医療スタッフのためにオンライン用の感染対策研修動画を制作すること。私が所属する病院向けと、IMSグループ向けの2タイプです。
新型コロナウイルス感染者ゼロを目指すのは現実的ではありません。肝心なのは「最初の一名」を見逃さないこと。スタッフには「接触確認アプリCOCOA」の導入を徹底。少しでも体調が悪ければ休んでPCR検査を受ける。患者さまの容態の変化はわずかでも見逃さず、必要に応じてPCR検査をすすめる。感染判明時には周囲の人間の行動履歴を把握し、検査の範囲を広めるなど、クラスター化を未然に防ぐための手順を具体的に映像化しました。
現在、人が集まっての研修は開けませんので、感染管理認定看護師の中では古株である私が指導的立場を務め、動画をツールに、電話やメールでアドバイスを行っています。
3つ目はIMSグループ本部の感染対策本部に参画し、対応マニュアルの策定と広報を図ること。幸い、グループには感染症専門医と、感染拡大防止を身に付けたスペシャリストがおり、英知が集まりました。
新型コロナウイルス感染症は、社会的影響の大きな疾患です。クラスター発生時には単なる感染症対策ではなく、自然災害と位置づけ、各医療機関は「災害対策本部」の設置を想定しています。病棟や外来診療の一時閉鎖などが求められ、人員のやり繰りなど影響は地震、台風レベルと予想されるからです。
米国や英国からワクチン成功のニュースが流れてきましたが、日本で多くの人のもとに届き、集団免疫が成立するには、まだ2~3年かかるでしょう。地域社会の健康と安全のために、私たちの闘いはまだまだ続きます。

資格を示す認定証カード

当院用に作られた動画のワンシーン。安全な介護のノウハウを具体的に紹介

資格を示す認定証カード

IMS本部研修用の動画より。コロナウイルスに関する専門知識を網羅

資格を示す認定証カード

IMSグループの新型コロナウイルス対応マニュアル。最新改訂は10版に

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